『日本語教育 実践研究フォーラム報告』刊行によせて
研究集会委員会では,関東地区において,会員研修と実践研究発表会「私の工夫,私の失敗」を行ってきました。2004年度よりそれらを一つに統合し,「実践研究フォーラム」(以下,フォーラム)として企画・実施しています。フォーラムは,日本語教育に関わる方々が実践と研究の意味を考える場です。そのため,できるだけ多くの方々に発表していただくこと,テーマに基づく,内容のある議論をすること,実践と研究を結ぶ成果を次につなぐ循環を形成することを目標としてきました。それらの目標を達成するにあたり,重要となるのが教育実践の内実を公開するということです。実践研究は,一人ひとりの日本語教師がどのような教育実践を実際の現場でどのように展開しているかを具体的に見せることから始まります。
現在の日本語教育において,現場を取り巻く情報を多角的な視点から観察・分析し,その成果を実践に結びつけること,そして,一人ひとりの日本語教師がそのサイクルを他者に提示し,更に議論を深めるというプロセスが有効であることは言を待ちません。私たちは,そのような共有の場を時空間を超えて存続させる仕組みとしてのWEBの可能性に着目し,WEB版『日本語教育 実践研究フォーラム報告』を刊行しています。
WEB版『日本語教育 実践研究フォーラム報告』は,フォーラム参加者からの発信を軸に,日本語教育に関わる方々が日本語教育実践について考え,実践と研究の関係を自分の問題として捉え,新たな実践への視座を得る場です。フォーラムにおける発表を基にした研究成果をここに結集することで,「実践研究」のうねりを日本語教育界全体に広げたいと考えます。「実践研究とは何か」という課題は,日本語教育界においていまだ成熟をみない議論です。WEB版『日本語教育 実践研究フォーラム報告』が起点となり,日本語教育における実践研究の位置付けに関する議論が更に活発に行われるようになることを期待します。
2012年12月20日
日本語教育学会研究集会委員会
実践研究フォーラム実行委員会
委員長 古屋憲章
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