2025年度宮地裕基金人材育成研修講座 実施報告「介護分野の特定技能外国人に向けた学習支援を考える ―実践共有と学習スケジュール作成―」
- 交流・イベント
- 2026年1月20日
- 広報委員会
主催者
丸山真貴子,木下謙朗
研修内容
2025年11月1日(土)に,日本語教師・社会福祉施設の方・介護分野の特定技能外国人の学習支援に関心のある方を対象とし,「介護分野の特定技能外国人に向けた学習支援を考えるー実践共有と学習スケジュール作成ー」をテーマとした研修会を開催しました。当日は19名の方がご参加くださいました。

研修では,実践の共有とグループワークを通して,支援を「何を」「いつ」「どのように」という三つの視点から整理し,組み立てることを目的としました。支援の内容・進め方やコースの組み立てを共有することは,よりよい支援の形を考える機会になりました。また,今後の支援につながるネットワークづくりを目指しました。
実施内容
【第1部 講演】
3名の講演者より,①支援における具体的な課題,②支援スケジュールの提示と進め方,③支援の際に意識しているポイント,④効果的な指導法や工夫,⑤成果などについて共有していただきました。日本語教育,登録支援機関,介護福祉施設や学校など,多くの視点を踏まえたお話に,参加者の皆さんには多くの気づきが生まれました。
[講演内容]
・「「現場の声」から考える支援と教育」中村和弘氏(横浜医療介護福祉協同組合)
・「2か月で特定技能合格コース」田中治美氏(フリーランス)
・「現場で働きながら国家試験に向けて」鈴木マサエ氏(フリーランス)
【第2部 グループワーク】
「学習スケジュール作成」をテーマに,支援計画案の検討と,支援・教育のヒントの共有・意見交換をしました。支援開始から国家試験受験までの支援項目・支援の段階の設定,支援に活用できる教材や資料など,具体的な支援計画の議論が活発に行われました。
写真は,ファシリテーターを中心に必要な支援項目を書き出し,適切な支援時期について話し合っている様子です。

こちらのグループは,入職直後から介護福祉士国家試験受験までの計画を考えていたので,仕事や生活だけにとどまらず,学習の支援や使用教材についてまでも話が及んでいました。
事後アンケートからは,「外国人介護士・受け入れ施設・送り出し機関など多様な立場の思いが交錯している現実に共感し,その中で日本語教師の役割を考え直した」「入職初期から国家試験を見据えた指導や,学習者自身に考えさせる視点の重要性に気づいた」「介護日本語に関わるさまざまな人々の経験や意見を通じて,自身の課題や新たなアイデアに気づき自身の教育設計の改善につながった」というお声をいただきました。参加者にとって,介護現場で求められる支援の多面的な課題と連携の重要性を実感し,それぞれの立場の役割や姿勢を見直すとともに,今後の教育実践・社会的支援への意欲を新たにする機会となったことは,とても意義深いことです。
今後も,こうした実践共有の機会を通して,現場の声を生かした「介護の日本語」教育と支援のあり方を探り続けていきたいと考えています。
資料
#宮地裕基金人材育成研修講座