2025年度宮地裕基金人材育成研修講座 実施報告「読む×話す×伝える!学習者と体験するレベル別日本語読書会ワークショップ」
- 交流・イベント
- 2026年3月24日
- 広報委員会
主催者
柴田あづさ,池田隆介,橋本直幸,松永典子,深江新太郎,山田智久
研修内容
研修会の概要
2025年7月から12月にかけて,九州地方の佐賀・大分・長崎・熊本の4県において,日本語教師,日本語学習者,自治体関係者などを対象に,「読む×話す×伝える!学習者と体験するレベル別日本語読書会ワークショップ」を開催しました。本研修会は,日本語教員である主催者に加え,図書館司書および学校司書の協力・支援を得て実施しました。
研修会では,まず日本語学習者向けのレベル別読み物を紹介し,その後,参加者が実際に自由読書を体験しました。さらに,気に入った一冊を日本語で紹介し合う活動を行い,「読む・話す・伝える」という一連のプロセスを通して交流を深めました。
これらの取り組みにより,参加者にレベル別日本語読み物の有用性や活用の可能性への理解を促すとともに,公共図書館における関連資料の所蔵意義や,地域における今後の展開についても広く共有する機会となりました。
本研修会には,4県あわせて計88名の方々にご参加いただきました。また,10の自治体・公共図書館・関係団体よりご後援を賜りました。
研修会を実施して
事後アンケートには,多くの前向きな感想が寄せられました。日本人参加者からは,「レベル別日本語読み物がこれほど豊富に出版されていることに驚いた」「やさしい日本語で書かれた大人向けの読み物は必要性が高いと感じた」といった声がありました。また,日本語学習者からは,「日本語の短編を読むことへの意欲が高まった」「読解力の向上につながると感じた」など,学習面での効果を実感する声も多く見られました。本研修会が,読書への関心を高めるとともに,日本語学習の意欲向上にも寄与したことがうかがえます。
さらに,本講座および主催者による過去2年間の継続的な取り組みを契機として,九州地方の公共図書館におけるレベル別日本語読み物の所蔵に向けた動きも広がっています。具体的には,2025年11月に福岡県の福岡市総合図書館においてレベル別日本語図書の所蔵および貸出が開始されました。続いて,2026年1月には同県の古賀市立図書館において多文化図書コーナーが設置されました。また,佐賀県内の市立図書館からは,市役所担当者を通じてレベル別日本語読み物リストの紹介依頼が寄せられています。
本研修会を通して,九州地方では,日本語学習者の読書活動の実践にとどまらず,日本語教員,図書館司書,学校司書,自治体職員,公共図書館など,多様な関係者が連携する環境整備が着実に進みつつあります。こうした協働の動きが,今後さらに九州以外の地域へと広がっていくことを期待しています。

資料
#宮地裕基金人材育成研修講座